閑話休題~直間比率について

デフレ不況といわれ、日本は先進国の中で最悪の財政悪化に陥っています。今年の予算は支出の半分以上が借金という最悪の状況です。鳩山総理は「任期中は消費税率を引き上げない」と発言していますが、将来的な引き上げについては避けられないモノと考えられます。

消費税の特徴の一つが、税収が安定することです。法人税と所得税は今回の景気後退で大きく落ち込みましたが、消費税はほとんど影響を受けていません。そこで安定的な税収を確保するために消費税に注目が集まるわけですが、その際には法人税や所得税といった直接税と消費税に代表される間接税の比率です。今回はこの『直間比率』について簡単にまとめてみましょう。

[直間比率とは?]
直接税は個人や企業から直接徴収する、所得税、法人税、相続税などが代表的なモノです。間接税は、消費税、たばこ税、酒税などです。税収が直接税に偏ると、景気変動に左右されやすくなります。諸外国と比較するとアメリカは一貫して直接税の比率が高く、フランスに代表される欧州諸国は付加価値税の存在で間接税の比率が高くなっています。

[各国の直間比率(2009年1月現在)]
◆日本
直間比率・・・71:29

◆アメリカ
直間比率・・・78:22

◆イギリス
直間比率・・・61:39

◆ドイツ
直間比率・・・52:48

◆フランス
直間比率・・・53:47

(※ 日本の国税は平成21年度(2009年度)予算額、諸外国は、OECD”RevenueStatistics1965-2007″による2006年の計数。)

Posted under 閑話休題 by oza on 月曜日 12 4月 2010 at 10:03:03

エンゲル係数とは?

前回は社会の貧困率を測る指標として「ジニ係数」をご紹介しました。今回はそれに関連して一般的にも知られている「エンゲル係数」をおさらいしておきましょう。

エンゲル係数を簡単に説明すると、『家計(消費支出)に占める食料費の割合』となります。一般にこの係数が高いほど生活水準は低いとされます。

[計算式] エンゲル係数(%)=(食料費÷消費支出)×100

終戦直後(昭和22年)の日本のエンゲル係数は、63%もあったそうですが、昭和28年には50%を切り、その後生活水準の向上に伴って急速に低下していきました。昭和54年には30%を切っており、生活が豊かになるにつれてエンゲル係数は下がっています。平成17年の数字では、21.6%となっています。

一般的に所得が低い家庭ではエンゲル係数が高くなり、所得の高い家庭ではエンゲル係数が低くなる傾向にあります。しかし、所得がある額以下になると、固定的な支出(家賃、保険、光熱費、携帯電話料金など)に圧迫されて食料費が削られるために、所得が低いにもかかわらずエンゲル係数は低くなるという、エンゲルの法則の逆転現象もみられます。

また、この係数を単身世帯と比較する場合や、地域別や諸外国と比較する場合には、食糧消費やその他の慣習が異なることや、食料の物価と食料以外の物価などとの関係を考慮して使う必要があります。エンゲル係数は横の比較よりも、ある家計の年度別比較など、縦の比較に向いた指標といえるかもしれません。

Posted under 閑話休題 by oza on 火曜日 8 12月 2009 at 9:39:23

ジニ係数とは?

今回は所得控除というテーマから少しはずれて、最近話題になっているキーワードについて勉強してみたいと思います。皆さんは「ジニ係数」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。

最近新聞報道でも「貧困率」という言葉とセットで使われるようになって、ご覧になった方も少なくないと思います。しかし、「ジニ係数」の意味をご存知の方はあまり多くないのではないでしょうか。ジニ係数とは、『主に社会における所得分配の不平等さを測る指標。ローレンツ曲線をもとに、1936年、イタリアの統計学者コッラド・ジニによって考案された。所得分配の不平等さ以外にも、富の偏在性やエネルギー消費における不平等さなどに応用される。』(フリー百科事典ウィキペディアより引用)です。

つまり、ジニ係数は社会の所得格差や貧困率を明らかにするために利用される指標なわけです。基本的に社会においては、所得や資産が平等に配分されていれば所得格差は小さく、偏りがあれば所得格差は大きくなります。こういった所得格差を示す尺度として用いられるジニ係数は、分布の集中度、あるいは不平等度を表し、0に近づくほど平等、1に近づくほど不平等となります。

21世紀になって日本が格差社会への道を突き進んだと一般的に言われています。しかし、所得格差という観点から見ていくと、既に1980年代半ばから日本の所得格差のレベルは世界的に見ても高いほうだったと云われています。バブル期のジニ係数はアメリカのそれを上回っていたという指摘もあるそうですから、既に四半世紀前から日本は格差社会に向かっていたということが云えそうです。

Posted under 閑話休題 by oza on 水曜日 11 11月 2009 at 10:05:26

可処分所得とは?

『デフレは経済指標以上に深刻化、可処分所得減で企業収益にも悪影響』
(2009年10月1日|ロイターより引用抜粋)

小売り各社が進める低価格戦略が収益を圧迫している。デフレの深刻化が企業収益を圧迫、雇用や所得の回復を遅らせ、消費にも悪影響を及ぼすという悪循環に入りつつある。

各種政策効果により、一時的に個人消費に明るさは出ているものの、可処分所得減が直撃する来期は、価格低下と需要減が企業収益に一段と悪影響を及ぼしそうだ。
~~~~~~~~~~~(以下省略)~~~~~~~~~~~~~
先日、ロイター通信社が発したニュースで「可処分所得」というキーワードが出ていましたので、今回はこの「可処分所得」についてご紹介しましょう。

可処分所得とは、課税前の家計収入から、支出が義務付けられている税金と社会保険料を差し引いた残りの所得のこと。自由に使える手取り収入と言え、個人消費の動向に大きな影響を与えるといわれています。

一般的に、日常生活で必要な食料や衣類などの生活必需品の購入や、各種公共料金の支払い、教育費・レジャー費などの消費支出は、この可処分所得の中から発生しています。この可処分所得から消費支出を差し引いた残りが、家計の貯蓄となりますので、最終消費支出と貯蓄の合計が可処分所得であるともいえます。

先行き不安が広がると、貯蓄を増やす傾向があるため相対的に、消費にまわるお金が減ります。この消費の冷え込みが経済を停滞させる原因となるので、将来への明るい展望を明確にすることが消費拡大につながるというわけです。

Posted under 閑話休題, 所得控除基礎知識 by oza on 金曜日 9 10月 2009 at 10:14:13

消費税率引き上げについて思うこと

今月末には衆議院選を控え、自民党、民主党他各政党からマニフェスト(選挙公約)が発表されています。
自民党、民主党は消費税率アップについては大方仕方がないと考えているようですが、アップ率、導入時期については違いがあるようです。

今回はこの消費税について考えてみましょう。

消費税は所得に応じた累進税率を採用する所得税とは異なり、消費全般に対して課税される為、低所得層ほど所得に占める消費税の負担割合が相対的に大きくなります。

一方で消費を基準に課税するため、同一金額の財やサービスを消費すれば所得にかかわらず同額の税負担となるために公平であるともいえ、基準を「所得」に置いた課税(所得税)と、「消費」に置いた課税(消費税)とのバランス(直間比率)を含めて考えなければなりません。

<直間比率とは?>

直間比率とは、税収の中に占める直接税と間接税の割合のこと。
(直接税は、所得税、法人税、相続税など。間接税は、消費税、たばこ税、酒税など。ちなみに、アメリカは一貫して直接税の比率が高く、フランスに代表される欧州諸国は付加価値税の存在で間接税の比率が高くなっています。)

また、欧米の消費税は、品目により減免または非課税にして、低所得者層の税負担に配慮しているケースが多いが、日本では「生活必需品(食料品など)」にも一律に課税されており、低所得者層には重い負担になっているとの指摘もあります。

このように消費税率アップを議論する場合には、直間比率、消費に対する一律課税の是非などを含めた総合的な議論を行わなければならないのではないでしょうか。

Posted under 閑話休題 by oza on 木曜日 13 8月 2009 at 11:30:05