ジニ係数とは?

今回は所得控除というテーマから少しはずれて、最近話題になっているキーワードについて勉強してみたいと思います。皆さんは「ジニ係数」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。

最近新聞報道でも「貧困率」という言葉とセットで使われるようになって、ご覧になった方も少なくないと思います。しかし、「ジニ係数」の意味をご存知の方はあまり多くないのではないでしょうか。ジニ係数とは、『主に社会における所得分配の不平等さを測る指標。ローレンツ曲線をもとに、1936年、イタリアの統計学者コッラド・ジニによって考案された。所得分配の不平等さ以外にも、富の偏在性やエネルギー消費における不平等さなどに応用される。』(フリー百科事典ウィキペディアより引用)です。

つまり、ジニ係数は社会の所得格差や貧困率を明らかにするために利用される指標なわけです。基本的に社会においては、所得や資産が平等に配分されていれば所得格差は小さく、偏りがあれば所得格差は大きくなります。こういった所得格差を示す尺度として用いられるジニ係数は、分布の集中度、あるいは不平等度を表し、0に近づくほど平等、1に近づくほど不平等となります。

21世紀になって日本が格差社会への道を突き進んだと一般的に言われています。しかし、所得格差という観点から見ていくと、既に1980年代半ばから日本の所得格差のレベルは世界的に見ても高いほうだったと云われています。バブル期のジニ係数はアメリカのそれを上回っていたという指摘もあるそうですから、既に四半世紀前から日本は格差社会に向かっていたということが云えそうです。

Posted under 閑話休題 by oza on 水曜日 11 11月 2009 at 10:05:26

可処分所得とは?

『デフレは経済指標以上に深刻化、可処分所得減で企業収益にも悪影響』
(2009年10月1日|ロイターより引用抜粋)

小売り各社が進める低価格戦略が収益を圧迫している。デフレの深刻化が企業収益を圧迫、雇用や所得の回復を遅らせ、消費にも悪影響を及ぼすという悪循環に入りつつある。

各種政策効果により、一時的に個人消費に明るさは出ているものの、可処分所得減が直撃する来期は、価格低下と需要減が企業収益に一段と悪影響を及ぼしそうだ。
~~~~~~~~~~~(以下省略)~~~~~~~~~~~~~
先日、ロイター通信社が発したニュースで「可処分所得」というキーワードが出ていましたので、今回はこの「可処分所得」についてご紹介しましょう。

可処分所得とは、課税前の家計収入から、支出が義務付けられている税金と社会保険料を差し引いた残りの所得のこと。自由に使える手取り収入と言え、個人消費の動向に大きな影響を与えるといわれています。

一般的に、日常生活で必要な食料や衣類などの生活必需品の購入や、各種公共料金の支払い、教育費・レジャー費などの消費支出は、この可処分所得の中から発生しています。この可処分所得から消費支出を差し引いた残りが、家計の貯蓄となりますので、最終消費支出と貯蓄の合計が可処分所得であるともいえます。

先行き不安が広がると、貯蓄を増やす傾向があるため相対的に、消費にまわるお金が減ります。この消費の冷え込みが経済を停滞させる原因となるので、将来への明るい展望を明確にすることが消費拡大につながるというわけです。

Posted under 閑話休題, 所得控除基礎知識 by oza on 金曜日 9 10月 2009 at 10:14:13

所得と収入の違いって?

「お金を稼ぐ」とか、「給料をもらう」と日常会話で使う場合、所得とか収入とか、利益とか漠然といろんな言葉を使っていますが、それぞれの意味を詳しく知らずに浸かっていることが意外と多いものです。

今回はこの「所得」と「収入」の違いにスポットを当てて確認していきましょう。

まず、「所得」と「収入」の違いですが、最初にざっくりと関係式を書いてしまいましょう。
『(収入)-(所得控除)=(所得)』
以上のようになります。

「収入」は、所得税、住民税、社会保険料等の控除される前の金額、つまり支給額合計です。

「所得」は、収入から、税務上の所得控除金額を控除した後の金額、つまり課税対象額です。

所得から控除されるのは、給与所得控除、社会保険料、本人控除(年額38万円)、扶養家族控除(38万円×扶養家族)、生命保険料控除、損害保険料控除、住宅取得控除等。こうした所得控除を収入金額から差し引いた残りの金額、それが所得金額(課税所得)です。その所得金額から税額が計算されます。

しかし、毎月の所得税額は収入金額に対する扶養家族の人数のみで、源泉所得税が決まる簡易な表に基いて計算されています。それを、年末に年間合計金額で税額の精算を行いますが、これが年末調整です。

「源泉徴収票」の表示によって説明すると、収入金額=(支払金額)、所得金額=(給与所得控除後の金額)-(所得控除の額の合計額)-(住宅借入金等特別控除額)となり、所得金額としての表示は有りませんので、上記の計算式でもって所得金額を計算することになります。

Posted under 所得控除基礎知識 by oza on 水曜日 9 9月 2009 at 10:27:56

消費税率引き上げについて思うこと

今月末には衆議院選を控え、自民党、民主党他各政党からマニフェスト(選挙公約)が発表されています。
自民党、民主党は消費税率アップについては大方仕方がないと考えているようですが、アップ率、導入時期については違いがあるようです。

今回はこの消費税について考えてみましょう。

消費税は所得に応じた累進税率を採用する所得税とは異なり、消費全般に対して課税される為、低所得層ほど所得に占める消費税の負担割合が相対的に大きくなります。

一方で消費を基準に課税するため、同一金額の財やサービスを消費すれば所得にかかわらず同額の税負担となるために公平であるともいえ、基準を「所得」に置いた課税(所得税)と、「消費」に置いた課税(消費税)とのバランス(直間比率)を含めて考えなければなりません。

<直間比率とは?>

直間比率とは、税収の中に占める直接税と間接税の割合のこと。
(直接税は、所得税、法人税、相続税など。間接税は、消費税、たばこ税、酒税など。ちなみに、アメリカは一貫して直接税の比率が高く、フランスに代表される欧州諸国は付加価値税の存在で間接税の比率が高くなっています。)

また、欧米の消費税は、品目により減免または非課税にして、低所得者層の税負担に配慮しているケースが多いが、日本では「生活必需品(食料品など)」にも一律に課税されており、低所得者層には重い負担になっているとの指摘もあります。

このように消費税率アップを議論する場合には、直間比率、消費に対する一律課税の是非などを含めた総合的な議論を行わなければならないのではないでしょうか。

Posted under 閑話休題 by oza on 木曜日 13 8月 2009 at 11:30:05

所得控除の基礎知識+α

前回までの数回にわたって、15種類の所得控除を詳しく確認してきました。
こうした所得控除が設けられている意味について、総括的にまとめていこうと思います。

そもそも「所得控除」が設けられているのは、収入以外の要素で生じる「税負担能力」の違いを納税額に反映させることです。例えば、収入金額が同一の場合でも、より多くの支出を負担している場合や、より多くの家族を扶養している場合などは税の負担を軽くして公平化する意味があります。

この所得控除には約15種類もの項目が存在していますが、「人的控除」と「物的控除」の大きく2つに分けられます。

まずは「人的控除」について確認していきましょう。
基本的には全ての人が受けられる所得控除で、課税最低限を保証するタイプのものです。(基礎控除、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除)
ハンデキャップ等に注意して税負担を軽くする目的の特別な人的控除。(障害者控除、寡婦控除、勤労学生控除)

次に「物的控除」についてですが、定められた支出項目や負担があった場合に税負担を軽くする目的で設定されている所得控除。(社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、医療費控除、寄付金控除)
所有財産に対する損害を控除の対象としているもの。(雑損控除)

上記のような所得控除を収入から差し引いて「課税所得額」を確定します。
課税所得額に税率をかけて「所得税額」を算出しますが、まだ控除されるものがあります。この所得税額から「税額控除」を差し引いて最終的に「納税額」が算出されます。

Posted under 所等控除基礎知識 by oza on 木曜日 9 7月 2009 at 12:54:21

所得控除の種類④

今回は「所得控除の種類」についてそれぞれ詳しくみていく4回目で最終回となります。これまで3回に渡って10種類以上の所得控除をご紹介してきましたが、今回で最終回となります。今回は「障害者控除」・「老年者控除」・「寄付金控除」・「雑損控除」についてご紹介していきましょう。

~所得控除の種類~
基礎・配偶者・配偶者特別・扶養・医療費・社会保険料・生命保険料・損害保険料・地震保険料・小規模企業共済等掛金・勤労学生・寡婦(寡夫)・障害者・老年者・寄付金・雑損(計16種類)

<障害者控除>
障害者控除とは、納税者は勿論のこと、配偶者や扶養親族(老人扶養親族)が、「障害者」となった場合に一定の金額を所得金額から控除、差し引くことができる「所得控除」のことです。

<老年者控除>
老年者控除とは、12月31日において65歳に達している「老年者」で、かつその老年者の方の総所得金額が「1,000万円以下」である場合に一定の金額を所得金額から控除、差し引くことができる所得控除のことです。

<寄付金控除>
寄付金控除とは、特定の団体に寄付をした場合に、所得税や住民税の控除が受けられる制度のことです。ちなみに、寄付金控除が受けられる寄付金のことを「特定寄付金」といいます。

<雑損控除>
雑損控除とは、「災害・犯罪(盗難・横領)」などによって、資産に損害を受けた場合に一定の金額を所得金額から控除、差し引くことができる所得控除です。

これまで5回に渡って所得控除の種類をご紹介してきましたが、こうした税の知識を得ることによって、賢い納税をしていきましょう。

Posted under 所得控除基礎知識, 所得控除種類 by oza on 水曜日 10 6月 2009 at 10:02:50

所得控除の種類③

今回は「所得控除の種類」についてひとつひとつ詳しくみていく3回目です。少しおさらいして所得控除の種類をご紹介すると・・・
~所得控除の種類~
基礎・配偶者・配偶者特別・扶養・医療費・社会保険料・生命保険料・損害保険料・地震保険料・小規模企業共済等掛金・勤労学生・寡婦(寡夫)・障害者・老年者・寄付金・雑損(計16種類)

今回は「小規模企業共済等掛金控除」・「勤労学生控除」・「寡婦(寡夫)控除」についてみていきましょう。

<小規模企業共済等掛金控除>
小規模企業共済等掛金控除とは、「小規模企業共済」などの掛け金を支払った場合に、基本的に、「支払った掛け金全額」を所得額から控除、差し引くことができる「所得控除」のことです。

<勤労学生控除>
勤労学生控除とは、勤労学生に該当する場合に、所得額が一定金額以下であれば、一定の金額、「一律、所得税27万円・住民税26万円」を所得額から控除、差し引くことができる「所得控除」のことです。

<寡婦控除>
寡婦控除とは、「夫と死別・離婚後まだ再婚していない・夫の生死が明らかでない」人で、扶養親族、または生計を共にする扶養親族でない子供がいる場合、かつ所得金額が500万円以下の場合などに、一定の金額を所得金額から控除、差し引くことができる「所得控除」のことです。

<寡夫控除>
寡夫控除とは、「妻と死別・離婚後まだ再婚していない・妻の生死が明らかでない」人で、「年間総所得金額が38万円以下の生計を共にする子供」がいて、かつ納税者の年間総所得金額が500万円以下の場合、一定の金額を所得金額から控除、差し引くことができる「所得控除」のことです。

次回は「障害者控除」・「」老年者控除・「寄付金控除」・「雑損控除」についてご紹介していきましょう。

Posted under 所得控除基礎知識, 所得控除種類 by oza on 木曜日 14 5月 2009 at 12:11:47

所得控除の種類②

さてさて今回も「所得控除の種類」についてひとつひとつ詳しくご紹介していきましょう。所得控除の種類は以下の種類があります。
~所得控除の種類~
基礎・配偶者・配偶者特別・扶養・医療費・社会保険料・生命保険料・損害保険料・地震保険料・小規模企業共済等掛金・勤労学生・寡婦(寡夫)・障害者・老年者・寄付金・雑損(計16種類)

今回ご紹介するのは所得控除の「生命保険料控除」、「損害保険料控除」、「地震保険料控除」についてです。

<生命保険料控除>
「生命保険料控除」とは、1年間(1月1日~12月31日)に支払った生命保険料の保険料に応じて所得税と住民税の控除が受けられる制度のことです。個人年金の保険料を支払った場合には生命保険料控除とは別途に、「個人年金保険料控除」の対象となります。

<損害保険料控除>
「損害保険料控除」とは、1年間(1月1日~12月31日)に支払った損害保険料の保険料に応じて「所得税・住民税」の控除が受けられる制度のことです。控除額を算出する際に「長期保険契約」と、「短期保険契約」とを別々に計算します。

<地震保険料控除>
「地震保険料控除」とは、上記の「損害保険料控除」を見直す形で創設された「所得控除」のことで、1年間(1月1日~12月31日)に支払った地震保険料の保険料に応じて、一定の金額を所得金額から控除(差し引くこと)ができる制度のことです。

次回は「小規模企業共済等掛金控除」・「勤労学生控除」・「寡婦(寡夫)控除」についてみていきましょう。

Posted under 所得控除基礎知識, 所得控除種類 by oza on 木曜日 9 4月 2009 at 11:40:51

所得控除の種類

確定申告行きましたか?申告期限は来週の月曜日(3/16)までとなっています。最終日は税務署が大変混雑することが予想されるので、なるべく今週中に行きましょう。

さて今回も前回に引き続いて所得控除の種類について詳しくご紹介していきましょう。ちなみに所得控除の種類を並べると・・・
~所得控除の種類~
基礎・配偶者・配偶者特別・扶養・医療費・社会保険料・生命保険料・損害保険料・地震保険料・小規模企業共済等掛金・勤労学生・寡婦(寡夫)・障害者・老年者・寄付金・雑損(計16種類)

前回ご紹介した基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除の4つ以外について見ていきましょう。

<医療費控除>
所得税の医療費控除とは、「1月1日~12月31日」までの間に支払った医療費が「10万円超える」場合、または、「総所得の5%(総所得金額200万円未満の人)を超える」場合、「最高200万円」まで税金の還付、軽減が受けられる制度のこと。この医療費控除は年末調整では控除できませんので、給与所得者の方も「確定申告」をしなければなりません。

<社会保険料控除>
所得税の社会保険料控除とは、納税者本人の給料から社会保険料を差引かれたり、納税者または納税者本人と生計を共にする配偶者、その他親族の社会保険料を納付した場合に、「納付した社会保険料全額」を所得額から控除、差引くことができる「所得控除」のこと。

次回は所得控除の「生命保険料控除」、「損害保険料控除」、「地震保険料控除」について確認していきましょう。

Posted under 所得控除基礎知識, 所得控除種類 by oza on 水曜日 11 3月 2009 at 10:45:06

確定申告の季節

今年も確定申告の季節がやってまいりました。平成20年分の所得税・贈与税の申告・納税は3月16日(月)まで、となっておりますが3月に入ってからだと込み合いますのでなるべく2月中に申告されるのがいいでしょう。今回は確定申告に合わせて所得控除の種類をみていきましょう。

所得控除の目的は、納税義務者の個人的な事情を考慮して、それぞれの税負担能力に応じた課税をすることにあります。所得控除の種類は全部で16種類あります。以下にまとめると・・・

~所得控除の種類~
基礎・配偶者・配偶者特別・扶養・医療費・社会保険料・生命保険料・損害保険料・地震保険料・小規模企業共済等掛金・勤労学生・寡婦(寡夫)・障害者・老年者・寄付金・雑損(計16種類)
それぞれ適用できる条件や制限がありますので、簡単にみていきましょう。基礎知識として頭に入れておくことで、専門家に相談するときに利用できるようにしておきましょう。

<基礎控除>
所得税の基礎控除とは、納税者(申告者)全てに一律「所得税(38万円)と住民税(33万円)」を所得金額から控除、差し引く「所得控除」のこと。

<配偶者控除>
配偶者控除とは、納税者と生計を共にする配偶者に所得がないか、又は所得が38万円以下の場合に、一定の金額を所得金額から控除、差し引く「所得控除」のこと。

<配偶者特別控除>
配偶者特別控除とは、上記の配偶者控除を補なう形で定められた制度。納税者と生計を共にする配偶者の所得が一定金額(38万円超~76万円未満)の場合に、一定の金額を所得金額から控除、差し引く「所得控除」のこと。

<扶養控除>
扶養控除とは、配偶者以外の扶養親族と生計を共にしている場合に、一定の金額を所得金額から控除、差し引く「所得控除」のこと。

・・・この続きは次回にご紹介いたします。

Posted under 確定申告, 所得控除種類 by oza on 金曜日 6 2月 2009 at 11:26:23

« 前のページ次のページ »